240422 - 0428

4/22 月
木曜の夕方あたりからおかしくなっていた社内PCの挙動がようやく治る。安堵と迷惑かけてしまったの気持ちが半々。台北に持っていく服をぼんやり考えているが、日本ですら今の時期は何を着ても不正解みたいな感じなので尚更よくわからない。

 

4/23 火
夢に昔好きだった人が出てきたからか目覚めがいつもより格段に悪かった。夜にアラン・モイル『タイムズ・スクエア』を見る。何もかも青臭くてまぶしくてうまく直視できなかった。15、6のときに見ていたら大好きになっていたと思う。

 

4/24 水
PCの調子がふたたび悪くなった。定時後もずっと何度も再起動を繰り返してはたまに設定の流れを続けていて、なんだかこの感じ自分の人生みたいだな……と思った。夏用のブラックのワンピースを買う。台北でも着たい。

 

4/25 木
先週、今週となんだか体感が凄まじく長い。ずるずると重い何かを引きずっていくような時間の流れ。冬ごろから散歩も趣味になっていて、昼休みと夕方に40分ずつ散歩をしていたが、昼はさすがに暑くなってきたので夜80分に変更する。本当は昼にできたほうがリフレッシュできるのでいいんだけど。夕方に外に出ると夕日の水色からピンクのグラデーションがかっていて夏の空だった。
最果タヒ『好きの因数分解』を読みながらなんだかやるせない気持ちになる。わたしも自分の好きなものについて文章を書くのが好きなはずだった。なのに今はアイドルにしても何にしても書けなくなった。最果タヒは簡単な言葉を使いながらも彼女しか描けないような文章で愛を炸裂させていて、それが羨ましくて羨ましくて自分に対してやるせない。彼女は言葉のプロだから文章がうまいのはごく当たり前なのだが、それでもわたしもこんなふうに好きなものについて書いてみたかったことに気付かされた。

 

4/26 金
体重計に乗ったら体重は増えていたものの体脂肪が減っていて、つまり筋肉が増えていたので朝からわかりやすく気分がいい。とりあえず今やっているのはあすけんにカロリーをつける、たんぱく質多めに取る、間食はプロテイン一杯だけ、炭水化物少なめ、二日に一度筋トレ、80分の散歩、昼ごはんはオートミール。苦ではないのでしばらく続けてみようと思う。夕方、台湾ドルがいくらか調べたら5円まで上がっていて円安にうんざりする。自分が住んでいるのはおしまいの国なんだ。わたしはこのおしまいの国でこれからどうすればいいんだろうと思いながらカラスみたいな艶のネイルを塗る。

 

4/27 土
サスペリア』みたいな変な夢ばかり見てうなされながら起床。彼と昼過ぎに待ち合わせ、下高井戸シネマで『ガールフレンド』のチケットを買う。下高井戸は昔片思いしていた人が住んでいて、当時その人に対して青臭くじたばたした恥ずかしすぎる思い出がたくさんたくさん、ぐちゃぐちゃに詰まった街だった。だけどもうその思い出のほとんどを断片的にしか覚えていないことを実感する。良くも悪くも時間は記憶のすべてを忘却の彼方へと押し流していく。
チケットを買ったあとで松陰神社で韓国料理を食べ、カフェに寄り、三茶まで出、twililightで本を2冊また買う。下高井戸まで戻りクローディア・ウェイル『ガールフレンド』を見る。下高井戸シネマに来たのは学生ぶりだった。

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79年の映画ではあるがいい意味で一切の古さを感じさせない作品だった。 今以上に映画関係者は男性ばかりの影響で女の幸せ=恋愛・出産だったり人生の力点が恋愛のように描かれがちだったが、 きっと実際は男が考える女の人生と女が感じる女の人生は違う。そんな70年代後半において友情、仕事が恋愛と同じくらいの比重で描かれていることが画期的すぎ、かつ普遍的。
ともに夢のために奮闘していた親友が結婚し、自分とライフステージが変化していくことに主人公は焦燥感を抱えはじめる。しかし親友も結婚はすれどもおとぎ話よろしくめでたしめでたし、ジ・エンドではない。自分や自分の人生がどんどん変わっていくことへの戸惑いや葛藤を克明にすくい上げていく。各々の人生を進めようと奮闘するふたりはどこまでも愛おしくチャーミングだ。
わたしはここ何年かずっと自分の人生の方向について考えて考えて考えている。結果、好きなアイドルに力点を置いていた人生から脱することを試みた。新しい恋人ができた。しかし気づけば恋人がわたしの人生の力点に、つまらない人生を変えてくれる光みたいな存在になりつつある現状に危機感を覚えているのがここ数ヶ月のこと。他者ありきではなく自分自身で自分の人生を歩むべきだと作品を見ながら改めて思っていた。わたしが今見るべき映画であって、このタイミングで鑑賞したのは必然だったのではないかとすら感じる。
この映画の主題は女女の友情物語だ。はげましあう女たちの友情は美しい。しかしある一定の年代になると各々のライフステージの変化が生まれやすく、そのために距離ができやすくなるのも女女の友情であり、その関係の密度には濃淡が生まれがちだ。わたしは映画を見ながらひとりの友だち、わたしのガールフレンドをのことを思い出していた。小学校から一緒で、ずっとくだらない話をしあっていた。彼女は数年前に結婚して、子供を産んだ。去年の夏に会ったら夫の愚痴と子育ての大変さといま建設中の家の話しかせす、好きで頑張っていた仕事も子育てがあるからあきらめると話していて、わたしはものすごくショックを受けた。でもきっと映画で描かれていたみたいに彼女だけの葛藤はもちろん存在しているのだろう。そのことに気づかせてくれたこの映画にはとても感謝をしている。
観終わったあとで明大前でラーメンを食べた。プレミアリーグを見たので寝たのは4時過ぎ。

 

4/28 日
明らかに寝不足だが天気の麗らかさに気分が躍る。ロメールの映画のまぶしさを思い出す。昼過ぎに神宮前で友だちと待ち合わせ、アイスを食べ、カフェをはしごし、海南飯を食べ、ホットドッグを食べる。これだから太るんだろうなと思いつつ、友だちと「食べることは最大のエンタメ」みたいな話をする。
わたしたちの好きなグループがいる事務所というか社長がここ数日ありえない騒ぎの渦中にいる。グループそのものに非はまったくないのに、そのグループのファンでいることやエンタメに金銭を支払うことが結果的にキモくて人間の気持ちがないような社長がいる事務所を支えていることを思うとかなり恥に近しい感情がある、みたいな話をわたしはべらべらとしていた。『成功したオタク』の傷ついたオタクたちもこうだったんだろうか?
帰りの電車でPinterestで別のグループ(兵役済)のメンバーをなんとなく検索したら初見でもないのにメロメロになってしまった。なんで。恋人がそのグループのガチ勢なので入門指南LINEを送ったら自作のプレイリストを送ってきてくれた。生身のアイドルなんかもう推したくないよ、と思うことが多すぎるけど、わたしは兵役済アイドルに夢中になるのだろうか……

今週の一曲/The Marias "Run Your Mouth"