既にnoteで告知しているのでほぼそちらからのコピペになるのですが、12/1の文学フリマで本を出します。
ZINEの内容について
『推し絡まってハローグッバイ』というエッセイZINEを出します。本当に変なタイトルで正直まだあんまり、ぜんぜん馴染んでないんですが、それなりにきちんとした理由はあって由来は本に書いてあります。
アイドルのオタクをやめる。
でもその前に、オタクとして全力で生きた自分のためにレクイエムを作る。
そう決めたのが今年のはじめでした。わたしはこの愉しく烈しく、奇妙な七年間について振り返る必要があり、それが達成されない限りはこの月日とオタクだった自分に別れを告げることも、供養をすることもできないような気がしていたのです。ファンが抱く感情やこれまでのオタクとしての経験を元にした短編小説もどきを書いてみたり、短歌を詠んでみたり、はたまたラップをはじめ、リリックや曲を書いてみたりとひとり奮闘していましたが、なんだかどれもしっくりきませんでした。 そんなときにただ単純に、この数年間に書き溜めていた文章……本人には絶対に届かないとわかっていながらもインターネットの彼方へと投げずにいられなかったラブレター、憂鬱まみれの日記、気持ちの整理のために書き殴っていた文章などをまとめ、さらにオタクをやめ、アイドルと思い出に手を振るまでの過程までもドキュメンタリーみたいに捉えてみてはどうか? そう思いついたのが、この本のはじまりでした。
2017年の12月にはじまり、今年の10月初旬までの文章を収めています。
そもそもなぜやめたいと思うようになったのか、やめようと決めている時の心情、やめようと思っていたのに続けることにしたきっかけやその心の移り変わりについて、特に中盤から後半はかなり細やかに書いてます。実際にリアルタイムで自分の気持ちの揺れをずっと記録していたので、どことなくドキュメンタリーみたいな印象を受けるかもしれないです。
アイドルそのものについてのZINEではなく、何かを熱狂的に好きでいることも、またそれによってあれこれ悩むこともやめられない人の本だと自分では思っています
わたしは7年という短くはない年月を「オタク」として生きて、推しは2回変わりました。いつだってアイドルのことは大好きで仕方がなかった。でも、自分がアイドルに向ける「好き」の気持ちには常に大小さまざまな痛みが伴っていました。
「推し活は素晴らしいもの」「推しと出会えてよかった」という言説が巷にあふれかえるようになって久しいです。自分自身「アイドルを好きになってよかったな」と思う瞬間はたくさんあります。でもわたしはすぐこんなにアイドルに夢中になっていいのか悩み、アイドルを追いかけてばかりの人生なんてよくないと自責したり、自分の選択がすべて間違っている気がして苦しみ、アイドルの精神的成長をうまく受け止められずつらくなったり、アイドルを愛する自分自身が醜く思え、嫌悪感を感じたりしています。
世間一般にあたりまえの感情として存在していることになっている「推し活は素晴らしいもの」「推しに出会えてよかった」の思いと、その裏にある感情の揺らぎを同時に捉えることができないだろうか?そう考えながら本を作りました。
後日、つけっぱなしのテレビでたまたま彼らを見た。胸が痛んだけれど、その痛みがどこまでも愛おしく感じられ、そんな自分に驚いた。そしてこの胸の痛みこそ裕翔くんのことが大好きで仕方なくて、自分の世界のすべてだった証に思えた。降りると決意する直前に感じていたのはできたての生傷のような強いひりつきだったけれど、現在の甘く波打つような痛みはきっとノスタルジックな感傷でしかなかった。
このひとはどんな大人になるんだろう。そんな思いを抱きながら、スビンを見つめはじめたことを覚えている。二十歳。彼は少年と大人のあわいにいて、パンデミックのせいで静けさに包まれてしまった世界のなかで歌い踊っていた。あのころのスビンはいつも静かにおびえたり混乱しているような目をしていて、どんなに楽しそうにパフォーマンスをしていても、メンバーとはしゃいでいても、その切れ長の目の奥はガラスの破片のような物悲しい光を放ってるみたいに思えた。それはパンデミックという特殊な環境がもたらしたものか、年齢がもたらしたものか、あるいはその両方なのかはよくわからなかった。スビンを見ているとよく二十歳の自分を思い出した。あのころのわたしもたぶんあんな目をして、ブルーにこんがらがっていた。わたしは彼の青く沈んだような、不安げな姿がすごく好きだった。
何かを好きでい続けることは絶対的に孤独と隣り合わせで、その歳月においては幸福と喪失が月の満ち欠けのようにひたすら繰り返されていくことを悟った。それってなんだかすごく人生みたいだと思った。わたしはこれまで好きになった、たくさんの映画や音楽や本を思い出した。何かを好きになることは、わたしの人生そのものだった。自分がいま感じている孤独のこともいつか好きになれるといいと思った。
とんでもなく共感できるかもしれないし、あるいは信じられないくらいダサくてみっともなさすぎる本かもしれません。何かを好きで、でも好きでいることがきっかけで気持ちがめちゃくちゃに揺らいでしまう人の滑稽な悲しみ、アイドルへ向けるばかばかしいくらいの真摯さが伝わって、それをおもしろがったりしてもらえるのが理想です。
推し絡まってハローグッバイ
B6サイズ/132ページ(本文)
イベント販売:1000円
オンラインでの匿名販売:1200円
イベント以外での手渡し販売:1300円
※値段の変動に関しては後に記述があります
本を販売する文学フリマ東京39に関して
日時:2024年12月1日(日)
12:00〜17:00 入場料:1,000円(18歳以下無料)
会場:東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース:P13「偶像だいすきクラブ」
わたしは当日いないので、一緒にサークルをやっている友達に委託販売します。この友人とふたりで作った「偶像だいすきクラブのマガジン」という身も蓋もないタイトルのフリーマガジンの配布もあります。 お互いのベストアイドル楽曲10曲を発表しあったり、ああでもないこうでもないと自由におしゃべりしている冊子です。
今回の本作りが楽しすぎて来年の5/11にある文フリ東京40にも出ることになりました。オタクやアイドルとはまったく関係ない内容のなんかの本を作ろうと思っています。そういった趣味活動についてのアカウントを新しく作ったので、もし気になる方がいたらぜひフォローをお願いします。記事の最後の方に貼ってあります。
値段設定に関して
参加できる人が限られる対面イベントのみでの販売は元から考えていないので、年明け〜遅くて二月半くらいから、BASEを利用したオンライン販売を行う予定です。
自費出版本の購入経路として文フリなどのリアルなイベント/オンライン購入/イベント以外での手渡し販売のだいたい3パターンに分かれると思うのですが、購入方法で値段を若干変動する予定です。
・イベントでの値段(¥1000)
本そのものの値段は1000円です。現金会計がベースとなる対面販売で計算・会計がしやすいように設定しました。イベントに来てもらう行為はいわゆる「ご足労をおかけする」ことだとも思うので、最も安い値段に設定しています。
・オンラインショップでの購入(¥1200)
オンラインショップでは送料は購入側が支払うシステムになっています。そのためイベントで購入するよりも送料分かかってしまうことはこちらも重々承知なのですが、オンラインショップは出品側にも購入毎に手数料が発生し、本に設定してある金額そのままの利益を得られるわけではないんですね。そのためイベント販売よりも少し高く設定しています。値段が最も安いネコポスを利用し、匿名配送で発送をする予定です。
・イベント以外での手渡し販売(¥1300)
これは主に自分の知人に向けてですね。何人かの知り合いに「手渡しで本を買いたい」「買いたいので会おう!」と非常にうれしい言葉を頂いているのですが、なぜこの値段かというと、まずオンラインショップで送料分支払ってくれる方とできるだけ値段の差をつけたくないことと、あとこれはとても個人的な思想なんですが「友達だから安くするよ!」みたいなのにすごい嫌な特権性を感じるいうか、作者と知り合い同士(=つまりごく一部の人間)じゃないと不可能な行為でまったく平等じゃないなと思っているのでこの値段にしました(ええ〜って感じる方もいると思いますが……)。
というわけで値段が三段階に分かれています。本買いたいけど送料出したくない!今お金なくて買えない!とにかく一番安い値段で買いたい!という人が万が一いたら、来年の5/11の文フリにもこの本を持っていく予定なのでその時のご購入をおすすめします。ちょっと先すぎるけど、次回は会場に絶対何がなんでもいるので……
Instagramに日記を投稿することにした
一年くらい継続してはてなブログに日記を投稿していましたが、インスタのストーリーにほぼ毎晩上げることにしました。24時間経ったら消えるのがいいなと思って。ハイライトからいくつかピックアップした過去の日記が見れます。
https://www.instagram.com/hmbllue/
日記と、あとZINEなどのクリエイティブ活動(?)についてのこともこのアカウントで呟きます。日記じゃない記事はこちらで更新するかも。
ZINEとインスタともども、よろしくお願いします。