231113 - 1119

11/13 月
突然の寒さに身体がうまくついていかない。きのう会ったばかりの恋人の体温のあたたかさを思い出し、たまらなく焦がれるような気持ちになる。夕飯のあとで布団にくるまりながらジャームッシュの『ミステリー・トレイン』を見た。

11/14 火
Red Velvetの新譜を聴きながら昼休みに図書館に本を受け取りに行く。近所だからいいやと適当に合わせた服装が意外とイケてた。
推し(という呼び方は好きじゃないけど)を好きになって2年が経つ。たったの2年といえどそれなりに人は変化するもので、推しは変わった。それは成長でもある。わたしもたぶん変わった。成長しているかどうかはわからない。好きになったときはわたしとよく似ているひとだと思ったけど、いまはまったく思わない。でもそういう変化は生きてる限りつきものだから悲しいことではない……そんなようなことを昨晩ツイートしたけど、わたしばかり同じ場所にい続けてるみたいでやっぱりなんだか悲しい気持ちもなくもない。

11/15 水
ドライヤーをかける。鏡に映った自分の顔を見て、恋人から言われた言葉をふと思い出す。
わたしは物心から自分を不細工だと思って生きてきた。これは雰囲気ではなく顔のバランスや造形の話である。目つきはわるく鼻は大きく低い、人中は長く、なんかだらしない顔をしている。そして自分が規範的な美の基準に囚われすぎている自覚はじゅうぶんある。このまえ恋人から「はじめて会ったときからかわいいなと思ってて、帰りの電車で隣になったときに横顔にどきっとした」と言われた。うれしさより先になんで?と思った。どう考えてもかわいくはないのに。でも恋人は恋人なりのはっきりとした「かわいい」の尺度を持っているのだろう。そのことがうらやましかった。わたしにはないものだから。

11/16 木
たくさんのつらいニュースからひたすら逃れるようにして、Youtubeでエレガント人生のコントばかり見ている。立ち止まって考えなければならない問題がたくさんあるのに、こうして娯楽を享受しまくっている自分に罪悪感を感じる。

 

11/17 金
来月韓国に行く予定があるので毎日レートを確認しているがどんどん悪夢のように下がってくばっかりで、毎日がっかりしている。恋人はいまソウルにいて、今日は雪が降ったと言っていた。今シーズンはじめての雪だそう。

11/18 土
来月韓国に行く予定、の予定は観光ではない。好きなグループのコンサートに行く。コンサート当日が日々近づいてきているが、オタクとしての人格がどんどん薄らいでいるのを感じる。理由は単純だ。恋人といるのが楽しい。それだけ。他のひとと付き合っていたときはこんなことなかった。いつだって趣味を優先していた(だから今の恋人のことは本当に好きなんだと思う)。コンサートが終わった自分のことが想像つかない。アイドルへの熱が戻るかもしれないし、燃えつきて終わるのかもしれない。
わたしの推しが他人に巻き込まれる形でプチ炎上していたのを今朝知った。詳細を知って、ちょっと失望に似た思いを抱いた。それより自分が思っていたのと少し違った姿を知っただけで勝手に失望する、身勝手で他人に期待する自分がいちばん嫌だなと思った。

11/19 日
おたくの友人たちと遊ぶ。新大久保で待ち合わせる前にフレンチトーストを食べる大罪を犯す。人と食べる料理はやっぱりおいしいし、なんだかんだアイドルの話をするのは楽しい。今日も新大久保は異様にハイテンションな活気を放っており、あの空気感にいまだにうまく慣れない。今日の友人たちとはアイドルを通じて知り合ったけど世間話もたくさんするし、同じクラスにいたら間違いなく仲良くなっているタイプの友人たちだなと思う。それとは逆に同じクラスでも絶対に仲良くなっていないようなおたくの友人もいる。だから学生のときに仲良くならなかったクラスメイトとももしかして趣味を通じて出会えたらこんなふうに親密になれたのかなとちょっと想像する。

 

今週の一曲/Red Velvet "Chill Kill"