240212 - 0218

2/12 月
電車の窓に映った自分の顔があまりにも不細工すぎて、横に立っている恋人はこの顔を常に見ているのかと落ち込んでいたら羊文学の塩塚モエカが乗ってきた。火星のボコボコの土地みたいな自分の顔を見て悲しくなったあとだったので余計に塩塚モエカが美人に見え、なんだか無性に死にたくなった。
経堂のモゴで優しい韓国料理を食べたあと、下北沢をうろうろする。ベトナム料理を食べながらアイドルの話をする。以下メモ。

  • K-POPの大衆人気は女性グループの方が圧倒的に高いのに女性ファンが大多数を占める男性アイドルのほうがCD売り上げが高く、強固なファンダムを築き、熱狂的なファンを抱える傾向があるのはなぜか
    ⑴昔から女性のほうがアイドルに対して熱狂することが社会的に許されてきたのではないか
    ⑵女性のほうがアイドルに対して熱狂することが社会的に許されてきた背景を前提として、男性よりも女性のほうが恋愛めいた感情を抱きやすい傾向がある(あるいはアイドルに対してそういった感情を持つことへの心理的なハードルが低い)ため特定の誰かに対して熱狂しやすいのでは

  • ではなぜ女性のほうが「恋愛めいた感情」を抱きやすいのか?
    ⑴わからん わからんなりにショボい予想すると男性は恋愛感情と性欲やあこがれなどを分けてカテゴライズする傾向があるが、女性は恋愛感情もあこがれも性欲も愛でる気持ちも同じようにカテゴリー分けする傾向があり(しかしこれは調べる余地大いにあり)すべて合わさった結果さっきの言い方で言うと恋愛めいた感情を抱く人口が圧倒的に多くなり、それが男性アイドルグループのファンダムの強さに繋がりやすいのでは、それにしても2024年に男性は〜女性は〜って言うのなんか嫌になってきたな…
    ⑵そのあたりの話でいうと男性アイドルがパフォーマンスで肌を見せたりセクシャルな動作をする際に今日一くらいの悲鳴が上がる瞬間はかなりオタク側の欲望の発露を感じる(欲望を感じたりそういったまなざしを向けることは行動に移さない限りは罪ではないし各々の自由ではあるが、個人としては昔からそういったパフォーマンスやファンの悲鳴に嫌悪感がわりとある)

  • 男性が女性アイドルに性的なまなざしを向けることははっきりと気持ち悪がられるが、その逆はどうなのか?
    K-POPに限らずたまにSNSで鍵がついてないアカウントでセクハラとも思えるツイートが流れてくるが、だいたいそういうツイートっていいねがたくさんついてたり身内からの共感を強く得ているパターンがかなり多い
    ⑵自分の好きなグループのコンセプトフォトが発表された時に露出が多かったからかそういったツイートが散見されたり、そういえば先日の某グループコンサートでファンが持っていたボードに「脱いで」「女性ホルモン分泌」など書かれていて問題になっていた 男女逆に考えてキモさに気づいてほしい……
    ⑶前述したように男性が女性アイドルに性的なまなざしを向けることは気持ち悪がられるが、その逆はまったく問題化されていないのをとても感じる(何度も言うが欲望を感じたりそういったまなざしを向けることは行動に移さない限りは罪ではない・見えない場所で呟いたりする分には別にいいと思うが、あまりにも非対称すぎる感がある)

  • あとファンサイン会で女性アイドルに触れるのはNGなのに男性アイドルだとボディタッチしてもOKなのがかなり謎すぎる
    ⑴女性ファンが男性ファンに危害を加える可能性を運営が軽視しているのでは
    ⑵あるいは、男性グループのファンダムは圧倒的に女性が多いので女性ファンが抱きがちな恋愛めいた感情を利用するためにボディタッチOKにしている?中小とかだとハグ会までやってるグループとかもあるし
    ⑶とにかくアイドルのファンダムにおいては女性が特権的な扱いを受けている実感がある

  • 「オタク」という呼称について
    ⑴以前は自虐的な意味合いがなんとなく込められていたが、コロナ禍あたりでキラキラ推し活ブームがやってきてからは「好きなものにまっすぐな人」みたいなポジティブな使われ方をするようになった
    ⑵そのポジティブ感だけが年々拡張されていき、オタクと呼ばれる人間が抱えがちなネガティブな側面が見えづらくなっている

 

2/13 火
目が覚めてすぐ、生理前の最悪な時期がやってきたことがわかった。気持ち悪い。じりじりとした絶望や憂鬱に心身を蝕まれる感覚。過食もひどい。頭が働かずろくに仕事ができなかった。仕事もぜんぜん上手くいかない感覚がある。最近平日は毎日のように自分があまりにも未熟で、いまだに基本すらまともにできていない人間であることを痛感してつらくなる。ベッドの中で明日が来ませんようにと願ったけどどうしたって来てしまう。

 

2/14 水
昼に散歩をしたけれど歩くのがしんどかった。この前見た『夜明けのすべて』の主人公はPMS持ちで生理が近づくとどうしようもなくイライラし、他人の些細な言動にもいらだち、時には声を荒げてしまう、という設定だったことを思い出した。わたしは人に当たったりしないが、ひたすら無気力に、憂鬱になって、とにかく消えたくなる。人と顔を合わせるのがつらくなる。意識があることがつらくなる(なので睡眠に救いを求め、いつもより過眠をしようとする)。些細なことで悲しくなって何もできなくなってしまう。仕事のあと、ちょっと身体を動かしたくなったので散歩に出かける。何の気なしに再生してみたThe Last Dinner Partyのニューアルバムを聴いたら元気が出てきた。辛いときは静かな音楽を再生して身を委ねることが多いが、ふつふつと血の通ったエネルギッシュな音楽に励まされることもある。

 

2/15 木
母親と韓国旅行行きたいねとずっと話し続けていて、それは特に実現することなく時間だけが過ぎていたが、ようやく5月下旬の飛行機とホテルを予約した。12月に行って、3月にも行って、5月にも行く。でもすべて行く人も目的の行く場所も違うので、まるで違った楽しみ方がある。ほとんど一日調子がよかった。湯船に浸かっていたら考え事をしてしまってすべてだめになった気がしたが、ZINEの文章を書いていたらすぐにできて、いい気分で眠った。

2/16 金
好きなアイドルについてつぶやいていたツイッターのアカウントのフォロワー数がいつのまにか3000人を超えてしまって、もう自分の場所ですらない感じがあったので新しくした。新しくした理由はこれだけじゃなくて、ほんとうはアイドルについてもう以前ほどの熱量があまりなく、夢中になっているひとと同じタイムラインに自分がいることがなんとなくつらかった。前のアカウントを消したいけどZINEを売ることを考えると手放せないのが本音である。

 

2/17 土
友だちと六本木の2121に『もじ・イメージ・graphic・展』を見にいく。

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こういったものを見たあとの感想を言葉にするのがとんでもなく苦手でつまらないことしか言えないが、本当に圧巻だった。わたしは一応デザインにまつわる仕事をしているけれど惰性でやっているなと自覚する瞬間がけっこう存在してしまう。でもそんな姿勢に喝を入れられたような気がした。
展示のあとは友だちとカフェに行ってラーメンを食べてまたカフェ。オタクの友だちなので自然とアイドルの話題が多くなる。最近、わたしの好きなアイドルがカバー曲を出した。わたしは聴く気がなんとなく起きずそのままにしてあるが、友だちが「前にあなたが以前「○○くんはすごく変化していっているけど、わたしはその変化によってどんどん彼が知らない人になっていっているみたいでさみしい」と言ってた気持ちがわかった」というようなことを言った。人から自分の発言を改めて聞くとなんて自分勝手で気持ち悪いんだと思う。でもわたしはもともと彼の不安定なところにシンパシーを覚えすごく好きになって、でも成長によってそういった不安定さが見えにくくなり、最近は万能感に似た自信すら感じる、というか漏れ出している気がする。生きている限り人は変化しているものなのに、それをうまく受け入れられないのがたぶんいましんどく、熱量がなくなっている理由なのだろうなと思う。

 

2/18 日
25時過ぎに寝たのに3時に目が覚めてしまう。なんなんだろう。友だちとまたシティーベーカリーでモーニングをして、韓国旅行の最終ミーティング。自分がソウルの街のことをある程度知っていて、友だちがいろいろとわたしに委ねているので、相談しつつ旅程を自分がほぼ決めた。国内旅行は行き先を決めずぶらぶらするのが好きなのに海外になると細かく予定を立てたくなる。不思議。とにかく時間を無駄にしたくないんだと思う。友だちと別れたあとでアリ・アスター『ボーはおそれている』を見る予定で既にチケットを買っていたが、変な時間に起きたせいで眠気が凄まじくて見ようかやめるかぎりぎりまで悩んだ。
カフェインを飲みまくりギンギンに目が冴えた状態で劇場に向かった。発券しようとするとNG画面が出るのというのでなんでだろうと思いながら確認したら明日のチケットを買っていた。ばかだな。30分後に上映開始するので急いで席を取ろうとしたら最前列の一席しかなかった。万が一グロテスクなシーンがあった場合は間近で見たくないので元々は最後尾で予約していたが、仕方なく最列を買った。
映画はグロテスクの連続で悪夢のようで、うまく飲み込むことができなかった。3時間に渡って夥しい暴力や罵声や血をじっと眺めているうちにあらゆることが怖くなってきた。自分が生きることが怖い、自分が死ぬことも怖い、親の死も、知り合いの死も、ペットの死も怖い。あと暴力も怖い、痛みも怖い、自分の行いが怖い、生活が怖い。終わって椅子から立てなかった。疲弊と眠気で目を閉じたら頭から倒れてしまいそうだった。虚無感に襲われながら帰路についた。たぶん普通に体調が悪い。

 

今週の一曲/The Last Dinner Party  "The Feminine Urge"