240308 ソウル旅行

4:45起きの予定が2時に目が覚める。外を見ると雪、雪、雪!飛行機は問題ないだろうけど空港行きのバスは大丈夫かと少し心配しながら友だちと新宿で待ち合わせ。特に何事もなく成田に着く。空港は何回来ても気持ちが躍る。11時過ぎの飛行機に搭乗する。

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重たく垂れ込めた曇天を突き抜けた先はあたりまえだけど晴天。仮眠を取りたかったけど空腹で眠れなかった。14時半ごろに到着。12月ぶり。空港では自分の好きなグループの誕生日を祝う広告があった。かわいい。

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弘大にあるホテルにチェックインしたあと、汝矣島ナルに向かう。漢江沿いの公園でラーメンを食べることを「漢江ラーメン」というが、それをやるために来た。ブルダックを頼んでさあ食べるぞと口に入れると麺が冷たい。お湯が急速に冷めたんだろうか。真冬のような強風に吹かれながら食べる麺はけっこう苦行に近かった。

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麺は冷たかったが、夕日がきれいだった。Lampのアートワークのような写真が撮れた。川沿いから街の中をまっすぐ進んで現代ソウルに行く。12月に初めて来てたくさん買い物をしたところだ。平日夜にかかわらず人がたくさんいる。

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欲望が容赦なく刺激され、自分の中で何か覚醒していくのを強く感じた。悩んだ末にFADのジャージとスカートを買った。爆買いしたあとのアイスは何よりもおいしい。
夜は冷えたが歩いていればあまり気にならないくらいの寒さ。合井にあるミュージックバーに向かう。入りづらい雰囲気だったがドアを開けると快く迎えてくれた。フィッシュマンズがかかっていた。

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チャラチャラしておらず落ち着いた場所ですごく居心地がよく、長居した。途中で友だちがShazamしても曲が出てこないと言っていたのでDJの前まで行き、これは誰の歌ですか?と韓国語で尋ねるとレコードを見せてくれた。友だちに撮ってもらった写真を送ってもらったら自分の顔があまりにも不細工すぎて、ほとんど絶望に似た思いを感じる。自分への暴力的な衝動を静かに抱いていると、Talking Headsの"Once In A Lifetime"がかかった。人生は一度きり。

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ミュージックバーから徒歩でホテルに帰宅。ソウルに来るたびに、街が東京と似ているのに確かに違う、不思議な気持ちになる。

240304 - 0307

3/4 月
昨日、ずっと乾燥しきったカラオケの室内で大声を出しまくったからか喉が痛い。一昨日と昨日がとても楽しかった反動なのか、気分が急降下していくのを感じる。普段なら気にならないことがひどく悲しい。PMDDにしては時期が早すぎる。原因がわからない。

 

3/5 火
寒くて陰湿な日だったけど、メンタルは通常くらい。ソウルでの服装を考えていたら楽しくなってきた。夜にサロンで眉毛とまつ毛を整えてもらう。やっぱり人に綺麗にしてもらえるとうれしい。施術中にお腹が空いたので久しぶりに油そばを食べ、ロフトでINTOUのチークを買った。

 

3/6 水
仕事のサポート面談があった。リモートで一対一で話していたらつらくなってきて、終わって画面を切ったあとで泣いてしまった。わたしは画面オフにしていたのでばれてはいないと思う(そう願いたい)。いまやっている仕事はやればやるほど自分が向いていないことがわかって、それができない自分がいやになる負のループに陥っている。夜はネットフリックスで『殺人者のパラドックス』を見た。

 

3/7 木
誰にも迷惑をかけないが周囲をじわじわと失望させるようなことをまた仕事でやった。毎日そんなことをしている気がする。自分なりに頑張って気を遣っているのにまったくできない。みんなが校庭の楕円形のトラックをほくほくと走っているなら自分は走っているつもりなのにそこらでばかみたいに足踏みをしまくっている気がする。それは労働だけではなく人生にもいえる。ミーティング中に過呼吸になりかけた。ばれないように必死だった。月曜に会社のカウンセラーと上司をカジュアルな面談をする。上司は優しいひとだ。でも考えただけで息苦しくなる。
旅行のパッキングが終わったが、必要なものをすべて入れているはずなのになぜかこれまでと比べて荷物が異常に少ない。何か忘れたのかなと思って不安になる。仕事のあと風呂に入り、かなり早めの夜ご飯を食べたあと苦戦しながらネイルチップをつけた。コンサートが目的ではない純粋なる旅行(ここで言う旅行は新幹線や飛行機を使った遠出)に行ったのっていつが最後なのか考えると、2019年のポルトガルだった。それからは台北、大阪、福岡、バンコク、ソウル、台北、大阪、ソウル、ソウル。すべてアイドルを追いかけて訪れていた。そういえばアイドルの同志ではない友だちと旅行に行くのもはじめてかもしれない。かなり前に台北に旅行に行こうという話が出たが、パンデミックのせいで中止になったのだった。明日は4時台に起きなきゃ。でも旅行のための早起きは嫌いじゃない。

 

今週の一曲/Charles "I Know You Love Me, But Do You Think of Me, Romantically"

240226 - 0302

2/26 月
風の強い日。庭の梅が満開になって、時おり若草色の鳥がやってくる。陽もずいぶん長くなった。もう2月も終わっていく。春が近づくたびに落ち着かない。冬は何もしなくてもいいのに、春になると急に何か新しいことを始めたりしないといけないような気がする。

 

2/27 火
昨日より風が強かった。コンビニに行って家に着いた途端にくしゃみ、目のかゆみ、鼻水が止まらない。花粉も持って帰ってしまったようでティッシュが手放せない。

 

2/28 水
早起きできたので久しぶりに朝に散歩をする。平日が退屈というかしんどいというか、とにかく憂鬱なので週末と来週の旅行のことばかり考えている。眉毛サロンを予約した。予約したあとに鏡で自分の顔を見て、こんな顔に眉毛やまつ毛に何かを施したところで変わるのだろうかと絶望に似た気持ちに駆られる。キャンセルしようか考えたが。でもサロンの施術のビフォーアフターを見てちょっと楽しみな気持ちになるのでキャンセルしない。月初めにテーマを決めたけど一文字も書けていなかったZINEの原稿が、突然1時間で完成した。うれしい。

 

2/29 木
閏年の日。会社のPCの動作がありえないくらい重すぎて、その影響でかなり残業した。一日ずっといらいらしていた。

 

3/1 金
3月になってしまった。3月になるともう春だと認めざるをえないような気がする。外に出たら花の匂いがして動揺した。Qoo10のメガ割で美容液とチークを買う。ベッドに入ったタイミングでなぜか中高のころを思い出す。わたしの中高時代は春の嵐だった。とはいえ思春期というだけで誰しもが多かれ少なかれ春の嵐のように烈しい年齢だとは思うが、おそらく勉強や部活などのストレスがたたって規律性調節障害にかかってしまったことがきっかけで、学校に行けなかった。つまりわたしは不登校の生徒であった。保健室登校も部活のみ参加も思春期カウンセリングも拒否して、家にこもって映画を見たり本を読み、自意識とフィクションの間を彷徨っていた。ずっとどこか遠くに行くことばかり考えていた。あれから10年経ったけど、わたしはいまだにあのころをうまく飲み込むことができていない。でもあの思春期を葬るために何かをしたほうがいい気がしてきた。それがフィクションなのか音楽なのかは詩なのかエッセイなのかはわからないけど。

 

3/2 土
恋人と中華街へ。牛骨粥を食べ、山下公園をうろうろし、その周辺をあてもなく歩き続けた。横浜は街がモダンなのに近未来的で、普段はふぞろいな、もっと言ってしまえばとても不細工な住宅街に住んでいる者としては歩いていて新鮮。TREASUREのコンサートが横浜であるらしくファンの人とよくすれ違った。いわゆる現場前の、期待と楽しみにあふれたファンを見かけるとなんだかすごく元気が出る。パワーをもらった気になる。
渋谷で蕎麦を食べ、恋人の家に行く。最初はよそよそしく感じていた街にもだいぶ慣れてきて、街への愛着と同時に、名前しか聞いたことのなかった駅に降り立ったときに感じたあの胸の高鳴りや緊張感が確実に消えていっていることがけっこう寂しい。恋人は休日深夜のプレミアリーグのリアルタイム視聴が趣味のひとつで、わたしはサッカーを一心不乱に見ている彼をぼんやりと眺めていた。今日は最も好きなチームの試合だったらしく、普段からは想像できないくらいかなり感情を出していたのでちょっと新鮮だった。勝負事と愛着が混ざり合うと人はとことん正直になる。

 

3/3 日
13時過ぎに友だちと渋谷で待ち合わせ。カラオケ屋に入る。カラオケといってもわたしたちの目当ては歌うことではなく、コンサートの生配信を見ることだ。旧ジャニーズの某グループのコンサートのブルーレイを見たあと、推しのグループの生配信をみんなで見る。旧ジャニーズのグループはわたしがもともと応援していたグループで、ブルーレイになったコンサートは自分がそのグループからべつのグループに降りる半年くらい前のコンサートだった。あのころは自分がこのグループから離れるなんて予想していなかった。何もかもが輝いていたが、その輝きが切なくどこか物悲しかった。
昨日・今日とソウルで現在好きなグループのコンサート(正しく言うと今回はコンサートではなくファンライブと呼ばれるイベント)をやっていたが、わたしはネタバレを食らいたくなかったのですべてのSNSからログアウトし、一切の情報を知らない状態で配信を見た。友だちから昨日はちょっとしたトラブルがあったと聞いていたので身構えて見ていたが、特に何事もなく、平和に終わった。
一番好きなメンバーは髪を黒からアッシュブラウンに変えていた。その姿や佇まいからティーンエイジャーの自分があこがれたり恋愛感情めいた思いを抱いてきたたくさんのアーティストや俳優の面影を感じ取れずにいられず、中学生のときによく聴いてた曲のフレーズ「君は俺の祈り 君は俺の宗教そのもの」が彼に回収されていっているような気すらした。わたしはそのアイドルのことをふざけてオム・ファタールと呼んだことがあったけど、それが冗談じゃなくなってきたような恐怖を感じている。いい感じに落ち着いてきたのに彼へのふたたび熱量がめちゃめちゃになって、自分の人生を生きられなくなったらどうしようと不安と興奮がないまぜになる。

 

今週の一曲/RIIZE "Love 119"

240219 - 240225

2/19 月
ここ何週間かずっと月曜日を体調不良やメンタル不調とともに迎えている気がする。いやな夢ばかり見て眠れた気がしない。ここ何週間かずっと睡眠アプリの快適度が0%なので、よくない眠りばかり貪っているらしい。

 

2/20 火
午前はほぼ使い物にならない。午後からかなり急いで仕事をした。春のように天気がよかったのに、調子が悪いからなのか人肌みたいな湿気と温度でなんだか気持ち悪かった。ふと、本屋に行って点滅社の『鬱の本』を買わなきゃと思った。誰かの鬱の話を聞かないと気持ちの均衡がもっとおかしくなる気がした。でも何を着ればいいのかわからず、一旦ルームウェアで外に出たらぬるい風が顔にのしかかってきて、ああ今日は無理かも、と後ずさりした。寝る前に飲んでいた薬が新しくなったので、それを飲む。だからなのか、うまく眠れた。

 

2/21 水
肌荒れがどんどん悪化して顔が赤く腫く、スキンケアのときは痒みも感じるようになってきたので早退して皮膚科に行く。
朝から調子がよく、昨日までのどん底っぷりはなんだったんだと思ったが、皮膚科に行って、先生に今もらっている薬がぜんぜん効かないと訴えても前と同じ薬を塗り続けてください、と言われ、それに対して何も言えなかった自分にがっかりした瞬間、今日の調子の良さは完全にかりそめだったことに気づく。
塗り薬をもらった時には完全に心がしぼんでいた。『鬱の本』を買わなきゃと本屋に行き、それらしいコーナーに行くも在庫がない。在庫検索できる機械によれば在庫ありになっている。文芸・エッセイの棚を見てもどこにもなく、ちょっとしたパニックになる。落ち着いたあとで店員に声をかけると、在庫補充したばかりでまだ棚に置いていなかったみたいです、今お渡ししますね、と本を持ってきてくれた。優しかった。本屋から出て家に帰るまでの徒歩15分が永遠に感じられた。歩いていたらどんどん不安になってきて、呼吸が激しくなり、自分の顔がゆがむのがわかった。身体は緊張で硬直しているのに同時に力が抜けてそのまま手足がびよびよに伸びていく、そんなイメージが頭に浮かび続けていた。早く家に着かないと死んでしまう。そう思いながら歩いて歩いて帰宅した。しばらく休んだあと、途中まで見たままだった『ショーイング・アップ』を見て、生活をする人々に励まされる。not in the mood|しずかなインターネットにてエッセイ的なものを更新する(よかったらどうぞ)

 

2/22 木
朝からなんだかすっきりしている。天気は悪いのに気持ちが躍っている。許されるならスキップしたい。でも昨日は途中からすごく調子が悪くなったのであまりよい方向に捉えられず、なぜこうなっているんだろうと思ったら生理が来た。なんだかこうも女性ホルモンにふりまわされまくっていると、「私」という精神よりもよほど女性ホルモンのほうが「私」のような気がしてくる。秋くらいから漢方を飲み始めて全体的には安定したものの今回は効いてないのではと思うくらいひどく、そのひどい期間を終えて結局わたしは女性ホルモンに支配された器でしかないのではと思った。

 

2/23 金
恋人と新大久保で待ち合わせ、ソルロンタンを食べる。新宿三丁目まで出てフィルムカメラのフィルムを買って(また値上がりしてた気がする)カフェを探せどどこも空いていないので、吉祥寺まで行って散歩がてらぶらぶらする。ふらっと入ったカフェのお菓子がかわいかった。

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最近恋人や友だちに会うとものすごく眠くなるのでちょっと困っている。突然体力が衰えたのではないかと心配になって調べたら、幸福感や安心感、愛情を感じた時に分泌されるオキシトシンのせいで心身がリラックスして眠たくなっているらしい。それはそれでいいことではあるのだろうけど人と一緒にいるのに眠くなるのはいやだな。彼は明日SHINeeのコンサートだそう。いいなあ。

 

2/24 土
ちょっとした買い物の日。なんとなくブックオフに立ち寄ったら自分と同じような趣味の人が大量に本を売ったようで、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』チョン・イヒョン『優しい暴力の時代』など自分の家にもある本がたくさん。パク・ソンウォン『都市は何によってできているのか』を買った。

 

2/25 日
一日中冷たい雨。ネットフリックスで松井大吾『手』を見て、だらだらする。PMDDの期間は終わったのになんとなく気が重かったので、これが本来自分が持っているほんとうの憂鬱なのだろう。山崎まどかの映画のエッセイを読んでいたら大人になれない大人を描いた映画に関する文章が多く、いちいち自分みたいだった。わたしはいい大人なのにいまだに思春期の暗くて長いトンネルを抜け切れていない気がし、そんな自分に対して常に恥を感じ、腹を立てている。同世代どころか歳下までみんな自分より落ち着いてきちんとした大人みたいだ。この前見た『ボーはおそれている』は母に成長を抑圧され子どものまま中年になった男性の悲喜劇だったが、わたしは誰にも抑圧されていないのにうまく成長しなかった、そんなことばかり考えてたら一日が終わったので、週末にひとりで家にこもるとろくでもないことしか考えないなのでよくないなと思った。


今週の一曲/Claire Rousey "head"