240617 - 0623

06/17 月
自分のことながらあまりにも情けなくなるので詳細は書かないが、しょうもない詐欺に遭いかけた。結果的にはきちんと防げたからいいのかもしれないが馬鹿げた詐欺に遭いかけた自分に失望して、一日中落ち込んでいた。

 

06/18 火
かなり前にシルヴィア・プラスの自伝的小説『ベル・ジャー』を読んだもののあまりピンと来なかった。しかしシルヴィア・プラスヴァージニア・ウルフとともにわたしにとっては文学的アイドル、アイコン、とにかくそんなところがある。二人に共通するのは鋭い才能はありながらその感受性ゆえに傷つくことがあまりに多く、結果的に自死を選んだ女性作家という点である。夜にシルヴィア・プラスが生涯感じていた不安や孤独感についての文章を読んでいたら自分にもかなり通ずるところがあるように思えてつらくなって、涙がずるずると溢れ出てきた。

 

06/19 水
仕事のあとで散歩をしていた。オレンジから青のグラデーションの夕空で、空には雲ひとつなく、その何もなさが無性に怖かった。ヘッドフォンからはスキ・ウォーターハウスの"Good Looking"が再生されていた。この夕空の何もなさと甘ったるすぎるメロディの組み合わせなのかわからないが、どうしようもなく寂しい気持ちを抱えながら歩いた。速度を落とすと歩けなくなる気がしたので早歩きをした。

 

06/20 木
昔から自分がおしゃべりな人間だと思っている。だからなのか字数制限があり、一瞬を閉じ込める技巧の要る短歌に憧れていて、たまに作っている。ほとんどはこれはたいしてよくないなと思ったので没にするけど、自分にとって最低ラインを超えているものは記録として日記にも載せようかなと思う。

恋人のTシャツの白さ波しぶき光りて私の胸を射る

 

06/21 金
夜ご飯の塩焼きそばがおいしかった。最近タトゥーを増やしたいが入れたいデザインが特にない。何かヒントがあるかなと思いながら10年前のTumblrを見ているが、思い入れがあるのはやっぱり10代の頃のカルチャーだなと痛感する。

 

06/22 土
早起きしたのに三島由紀夫Wikipediaをじっくりと読んでいたら午前が終わった。恵比寿ガーデンシネマの野外上映でウォン・カーウァイ恋する惑星』をやっていると聞いたので彼と見に行く。わたしはこの作品のフェイ・ウォンの真似をして花柄の開襟シャツにリュックを背負っていった。到着したのは上映2時間前だというのにすでに人がぎっしりといて、どう考えてもこれから映画のための場所取りが可能な状況ではなかった。こんなに『恋する惑星』を見たい人がいるのなんだか不思議だなと思いながら泣く泣く退散し、山長でうどんを食べる。ここしばらく彼は4年に一度あるサッカーのユーロカップのために週末は深夜までリアルタイムで試合を見ていて、この日はポルトガル対トルコで盛り上がっている横でわたしは寝落ちた。

ボール蹴り出来た星座のネックレスで君の首柔く締める夢

 

06/23 日
昼過ぎに友だちと渋谷で待ち合わせて、韓国料理屋へ。チュクミを食べる。そのあとも雨がさやさやと降る中で渋谷をうろつく。Zineの相談とともにわたしは人生どうすればいいのか、みたいな話を一方的に友だちにしていた気がするが、そんな話をできる人・聞いてくれる人がいることがあまりにも幸福だなと思う。

日曜の夜切る私鉄はネオンテトラの光届かない水槽

ああ空に殴られる都度黒髪の匂いに君が立ち昇って梅雨

今週の一曲/NewJeans "Supernatural"