220701

 ほとんど毎日朝焼けを眺めている。20代のはじめくらい、クラブの帰りに飽和したような頭でぼんやりと見ていた朝焼けを、今はランニングをしながら眺めている。走っていると今が朝なのかはたまた夕焼けなのかたまにわからなくなる。そして人通りのいない通りのすべてが自分のもののような錯覚に陥る。

 

 今日は仕事のあとで新宿でヨアヒム・トリアー『わたしは最悪。』を見た。理想と現実のギャップで悩む主人公の日々を追っただけなのに主人公があまりに魅力的で面白くていとおしかった。
 映画館を出、U.S. Girlsの"4 American Dollars"が聴きたくなって再生したら陽気に踊りたい衝動に駆られて仕方がなかった。しかしここは新宿である。洗練された三丁目である。人々は金曜の夜らしく夏の雰囲気も相俟って完全に浮かれていたが、誰ひとり踊ってはいなかったので、わたしは大人しく帰った。帰宅してあれこれ用事を済ませていたら1時だった。明日は走るのをやめる。朝焼けを見ない日。